みよしのの思い出

20歳。当時わたしは1年に4回くらい40度近くの高熱を出していた。
一人暮らしだし、保険証を持っていなかったので、病院にも行けずただ寝ているしかなかった。回復するまでに1週間くらいかかっていた。

その日は高熱が出て3日目くらいだったと思う。居酒屋などのバイトは休んでいたが巫女だけは代わりがいないので、解熱剤を飲んで仕事に行った。

現場に着くと他の巫女に「顔真っ青だし汗すごいけど大丈夫??」と心配された。
でもなんとか式を終え、息も絶え絶えになりながら家に帰る。歩くのもつらく本当はタクシーに乗りたかったけどお金がないのでバスに乗った。

バスに揺られながら
わたしは多分今日死ぬであろうと思った。
こんなに具合い悪いの初めて…

今日死ぬのなら、晩ごはんは最後の食事になるから、とびきり美味しいものを食べようと思った。
そして私は、みよしのカレー弁当(大盛)を食べようと決めた。

みよしのに寄るために、ひとつ前のバス停で降りる。みよしのへ行き、カレー弁当を買った。そしてかなりの吹雪の中、私は歩いた。本当にフラフラだった。

家につき、みよしのカレー弁当を食べたけれど半分以上残してしまった。
でも満足してベッドに入る私。
短い人生だったけど何も思い残すことはない。本当に安らかな気持ちだった…

そして朝になり
まだ生きていたが昨日より悪化しており
やばっ本気で死ぬ…と恐くなった私は
連絡を絶っていた母に「たすけて…」と電話し
病院に連れて行って貰ったのであった。

のちに妹が
「音信不通の姉から急に助けてくれと電話が来て、高熱と栄養失調で入院した。幼心にとても衝撃だった」と笑い話にしていたけれど
私は今でも、みよしのカレー弁当(大盛)を見ると、胸が締め付けられるのです…