4Pか5Pの思い出

それはテレクラであった。鮮明に覚えている。
待ち合わせ場所に行くと大きな車が来て、男が3人くらい顔を出していた。
こりゃやばいやつだ…と直感的に感じたのだけど、私は当時非常に破滅願望が強く、何なら死んでもいいや、という夢か現実かわからないような精神状態で生きていたので
危険を感じつつもすぐに車に乗った。
車には4人か5人いたと思う。イエーイ!!と変なノリだった。少し怖かった。
南区の山奥のほうに入り、ラブホテル街があるのは知っていたが帰してくれるのか怖くなり
「山に捨てるの?」と聞いた。
男たちは「捨てないよぉ〜」と笑いながら言ったけれど信用できなかったので「信用できないから先にタクシー代ちょうだい」と言った。
「信用してよ〜」とふざけていたが、私がしつこくタクシー代を要求したので「なんかこわい〜」とか言いながら何千円かくれた。
ホテルに着き全員で部屋に入った。
男は「おれたち変な趣味とかないからひとりずつ抜いてくれたらいいからね」と言った。
とても広い部屋で、私はひとりでベッドにいて代わる代わる男が来て普通のセックスを人数分した。「さっきのやつよりおれの方がいいっしょ?」と言った人が何人かいた。
帰り道、私はすっかり男達を信用していた。
運転している男が「誰か運転代わってくれ」と言ったとき「わたし運転する!」と言ったら盛大にみんながズッコけていた。
その車は外車で、左ハンドルを運転してみたかった怖いもの知らずの私はしつこく「大丈夫だから運転させて」とごねて「じゃあ免許証見せてくれたらいいよ」となったが
免許を持っていなかったので「この子すごい怖いんだけど!」とみんなゲラゲラ笑っていた。
車を降りるときに「電話番号聞かなきゃ降ろせないんだよね、ごめんね」と言われた。それは本人たちが知りたがってるというよりは、他の何かのために聞なければいけないのだというニュアンスだった。やっぱりあぶない人達なんだな…と思いつつ、「電話持ってない」というと「親のとこでもいいから教えて」と言われた。
「親はふたりとも死んでいるよ、ばあちゃんだったらいるけど泣くとおもう…教えたくない…」としんみり語ると「親っていつ死んだの?苦労人なの?」と車内が妙にしんみりムードになった。
そのまま車は降ろしてくれた。
電話番号教えたらどうなったんだろ…少し気になる。