1人暮らし

アパートを借りて1人暮らしが始まった。私はアルバイトをいくつかかけもちして生活していた。
いつもお金がなかったので、冷蔵庫も洗濯機も何にもなかった。1人暮らしをすると言ったら父親が「家電を買いなさい」と10万円くれたのだけど、それ全部使ってコンポを買ってしまったので、部屋にはベッドと高級コンポだけ…というひどい状況だった。それでも私は満足していた。
ゆうじくんが毎日のようにやってきて、いつもセックスしていた。幸せだった。
私はゆうじくんが大好きで、結婚したい!とか、一緒に死にたい!とかいつも言っていて、そのもうれつすぎる愛にゆうじくんも恐れおののいていたけれど、実は相変わらずススキノで遊んでいた。
居酒屋のバイトが終わって帰り道、ナンパされると大抵付いて行っていた。
当時は携帯電話もなかったし、家の電話もなかったので、家に帰らなくても誰も私を探すことができないのであった。
私は本当に自分勝手に、好き放題に生きていた。